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2009年3月

2009/03/27

東京サンシャインボーイズ「returns」(090323)

小劇場系の演劇ファンにはお馴染みの劇場、新宿三丁目にある「シアタートップス」が3月一杯で閉館することになりました。
まだメジャーになりきっていない頃の東京サンシャインボーイズ(三谷幸喜率いる劇団。西村雅彦らが所属)や、ラッパ屋、泪目銀座などの公演に通った自分としては寂しい限りです。

ことに東京サンシャインボーイズは、15年前に「シアタートップス」で上演された「罠」という公演を最後に「30年の充電のための活動休止(事実上の解散)」に入り、30年後にまたトップスで復活公演をやるのでは、と言われていたのです。

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今回「さよならシアタートップス 最後の文化祭」として、劇場のファイナル公演が行われることになり、30年の充電のはずの東京サンシャインボーイズが特別に当時のメンバーのままで復活公演を行うことになったのです。

それはそれは激烈なチケット争奪戦(トップスは150人しか入らない劇場で、公演はわずかに12回。1000人規模の劇場での1ヶ月公演でも即日ソールドアウトの三谷幸喜芝居ですから、どれだけ大変かおわかり頂けるかと)を奇跡的にくぐり抜けて、ゲットしたチケットで10年ぶりくらいにトップスに行ってきました。
紀ノ国屋ビルにほど近いビルの4階にある小さな劇場。椅子は勿論、パイプ椅子です。
モギリなどのスタッフさんもいかにも芝居好きって感じの人たちなのが、嬉しい。

今回の復活公演は「returns」と題し、勿論三谷幸喜作・演出。
出演は男優は西村雅彦、相島一之、小林隆、甲本雅裕、小原雅人、近藤芳正、野仲イサオ、梶原善(顔を見れば全員テレビドラマで観たことのある人たちですよ)、女優は宮地雅子、斉藤清子、谷川清子、西田薫(女優陣は舞台中心かな)と当時出演したメンバーは一人を除いては全員出演(梶原さんは映像のみ出演)、それに今回の新参加として吉田羊さんという座組。

「一人を除いて」と書いたのは、劇団の中心メンバーの一人で解散後もテレビ(「王様のレストラン」「ショムニ」など)で活躍しながら、数年前若くして急逝した伊藤俊人さんがいないから。
伊藤さんのキレの良い動きと突っ込みが大好きだったので、不在が本当に残念。

内容は数十年ぶりに恩師の招きで集まった小学校の同級生12人。しかし教師はおらず、代理と称する謎の女性が「あなた方は地球を侵略者から救う救世主なのです」と言い出す。ごくごく平凡な生活を送っている彼らは何のことやらさっぱり判らず・・・ という感じ。

例によって、大笑いさせられて、ちょっとハートウォーミングな楽しい芝居でした。
亡くなっている伊藤さんも思わぬ形で出演(?)して大笑いさせられました。
80分という短めの上演時間がホントにあっと言う間に終わってしまった・・・
相変わらず、西村雅彦が美味しい役だったなぁ。
三谷さんの芝居の西村さんは本当に光っています(おでこじゃなくて存在が)。


観客たちは私も含め、見納めになるであろうシアタートップスの名残を惜しみながら家路についたのでした・・・

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2009/03/23

錦織健プロデュースオペラ「愛の妙薬」at 東京文化会館

三連休の最終日は、上野の東京文化会館にドニゼッティのオペラ「愛の妙薬」を観て(聴いて)きました。
有名なテノール歌手錦織健さんが、2年に1度手がけるプロデュース公演。
主演は森麻季さん(アディーナ役)と錦織さん(ネモリーノ役)の日本オペラ界のスター2人で、これだけでもなかなか魅力的な公演です。さらに今回は、私たちのGオケで昨年やったオペラ「ラ・ボエーム」で、ムゼッタ(準ヒロイン)を演じて下さったソプラノ歌手の田上知穂さんが、アンサンブルではなくピンの役で出演されるということで、ご案内を頂きました。これは行かねばなりません。
(うちのGオケからは、ビオラのM大先輩、バイオリンのI先輩も別のハコでの公演を聴きに行かれました)

物語は、とある田舎の村で、お人好しだが、ちょっとおバカでもてない男(錦織さん)が、村一番の器量よし(森さん)に振り向いて貰いたい一心で、インチキ薬売りから、飲めばたちまちモテモテになる「愛の妙薬」を購入。もちろん、それは真っ赤なニセモノ(ただの赤ワイン)。さぁこの恋路どうなる?・・・というたわいのない喜劇(もちろん最後はめでたしめでたし)。
最近のオペラ公演は、ザルツブルグ音楽祭の影響か、モダンに演出するのが流行っていて、その先鋭性に感心しつつも、どうも楽しめないことが多いのですが、今回はプロデュースの錦織さんの意向で、演出はごくごくオーソドックス。
それだけに各人の歌を存分に楽しむことが出来ました。

森麻季さんはホントに美声。「愛の妙薬」で森さんが歌うアリア(独唱)は意外に(と言っても、実は「愛の妙薬」をちゃんと聴いたのは、この日が初めて)技巧的な物が多いのですが、完璧に歌いこなしていました。途中では、彼女が一気に有名になった「ホフマン物語」のオランピア(カラクリ人形)の仕草までしてみせるなど、ツボを押さえてます。
以前、森さんが宗教曲の独奏をしていたのを聴いた時は、「声は綺麗だけど、声量がちょっと・・・」という印象を受けたのですが、今回は広い東京文化の隅々まで声を響かせていました。スターのオーラ出まくりです。
錦織さんは堂々たるもの。気の良い道化者をユーモラスに演じつつも、有名なアリア「人知れぬ涙」では、聴く者をグッとさせる素晴らしい艶のある歌声を披露していました。今回の「愛の妙薬」は全編お気楽話なんですが、「人知れぬ涙」のシークエンスだけはシリアス。アホなネモリーノだけど、本当にアディーナを愛しているということがビンビン伝わってきました。錦織さんは以前新国立劇場で観た「こうもり」では、アルフレードという男前だけど、頭は空っぽという道化役(いわゆるテノール馬鹿ってやつ)を喜々として演じていたのですが、ユーモアのセンスが素晴らしい方ですね。
そして田上さんは、森さん演じるアディーナの友人である村娘ジャンネッタ役。
残念ながら、アリアはなかったのですが、2幕で、ネモリーノ(錦織さん)に莫大な遺産が入るらしいと聞きつけて、「ネモリーノは今日からセレブよ(ハート)。でもそれは絶対内緒。」と村娘たちが噂するシークエンスなどで澄んでいてそれでいてパワーのある歌声を披露していました。オープニングからたびたび登場する村人のアンサンブルも、田上さんが中心。カーテンコールでも、森さん、錦織さんら主要キャストと共に何度も登場して喝采を浴びていました。

大満足で帰宅しながら、いつかは田上さんの歌で、アディーナも聴いてみたいなぁと思ったりもしました。
アディーナが「私には愛の妙薬なんて必要ない。そんなものなくたって、私がニッコリ微笑めば、男なんてイチコロよ♪」と歌うデュエット(相手はインチキ薬売り)や、ネモリーノへの思いを隠しきれないアリア「受け取って」なんて凄くチャーミングに歌ってくれそうです。

オペラは、いざ聴くととても面白いのですが、なんとなく敷居が(切符代も・・・)高い。今回のように、気楽に本格的なオペラが楽しめる企画を、もっともっとやって欲しいと思いました。

そうそう、私のすぐ近くの席に長髪のイカした男性が座ったと思ったら、秋川雅史(「千の風」のまんまのファッション)、少し前の席に、すごく背が高くてゴージャスなマダムがいると思ったら佐藤しのぶでした~。

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